クローゼット

WCL
書斎に隣接したウォークインクローゼットにはわが家の床面積35坪のうち、5.5坪を割り当てた。
各部屋にもに十分設けた収納とともに大容量で、今のところ物をしまうのに頭を使わずに済むのがうれしい。小さな子どもが3人もいると、ミニマリストにはなれるはずもないが、収納が十分あれば家がすっきりし、片付かないことでのストレスを感じにくくなる。

ここは、わが家にとってバックヤードだから、お金をかけずそうした雰囲気を出したいなと思っていた。出来上がる前に見ると大工さんの腕が良かったのか、思っていたものより気品が出ている。建築家さんと話し梁を見せ壁紙を貼り、倉庫というにはもったいないスペースになった。


引渡前にネットを引きWifiをセットしたので物を置いていない写真がないのが残念

衣類用にはハンガーパイプを2本、合計5.8m造作。
もともとは、注文住宅ブログの金字塔「羊飼いたちの休日」のIKEAハッキングその2を参考にして、(とてもおすすめです)PAXのパーツをビルトインクローゼットに組み込む予定だったが、近所にIKEAがなくまた減額の都合上から手持ちの無印クリアボックスが使えそうだったので、ハンガーにつるさない服については引き出しに収納している。

洗濯して干す際にハンガーにかけ、乾いたらそのまま収納できるのは便利だ。また毎日必要となる男性用肌着、下着、靴下は、一部のおしゃれ着を除き洗濯後干さずに乾燥機にかけ、乾燥したら畳まずにそれぞれ設けた箱へ突っ込んでいる。当然素材から乾燥機にかけられるものを選定し、乾燥による消耗が激しいのでセール時にまとめて購入する。この方式だと靴下もすべて同じものになるので、組み合わせる必要はないし片方だけ消耗しても問題ない。

たいていの人がぎょっとし、家事時間削減のためにそこまではしたくないと思われるだろうこの方式は10数年前、とある企業の単身社宅で暮らしていた際に生まれた。

当時仕事があまりにも忙しく、平日は終電やタクシーで帰宅し朝は普通に会社へ行き、忙しければ休日出勤で仕事していた僕には洗濯をする時間がなかったが、会社も心得たもので玄関横のクリーニングBOXに入れておくと2日で出来上がってBOXに収納される仕組みになっていた。

洗濯やアイロンがけする手間なく、しっかりと糊の効いたYシャツが出来上がるのには重宝したが、大人ひとり身の回りのことをこなす時間が持てない状況に、自分が巨大なシステムに飲み込まれてしまったかのようにも思えた。

そこで普段着は他のものと一緒に家で洗濯できる素材、色のみ購入し、また肌着、下着、靴下は7日分以上持つことで、土日のどちらかで洗濯し、乾燥機不可のものだけ取り出しハンガーにかけ、残りは乾燥機にかけることでクリーニングに出す量を大幅に削減できるし、家事をして生活している実感を得ていた。

まだ企業戦士という言葉が死語でなかったころ身についた習慣。
結果として時短や家事削減になっているけれど、僕にとっては人間性を回復するためのささやかな抵抗だった。

ハンガーパイプの上には枕棚を流しており、ひな人形、五月人形と言った季節のもの、電気製品の空き箱など、普段使わず、かさばるものを収納している。

本棚はハードカバー900冊分程度確保した。もともと持っていた本の量からすると少ないけれど、引越前に大幅な電子化をしたし、最近の本はkindleで買うので当分持ちそう。
開いているスペースが多く、長期保存可能なペットボトルの水を80リットル分備蓄している。パントリーでは邪魔になるものもここなら良い。
この先子どもたちが家を離れれば衣類のスペースは小さくなるため、本棚を増やせるような構造にしてある。

仕様
棚:大工造作(タモ集成材)
ハンガーパイプ:ステンレス
スイッチ:JINBO NK
照明:Panasonic
扉:建具造作
床:シナ合板

 

造作ラック
注文住宅を建てる。多くの人にとって結婚や出産というレベルに類する、人生の1大イベントだと思う。
だから家に思いが入るのは当然だし、それぞれにこだわるポイントがある。そうした話を聞き、ブログを読むのが楽しいのは、これまでの人生が何らかの形で表れているからなのかもしれない。

家を建てることになり、20代後半から30代前半の過去10年間を振り返ると、僕の場合はそれがデータセンターだった。
自宅にラックを置き、自分がかつてPMの立場で製品開発に携わったパワーバーを設置する。

本物のサーバラックをつけると奥行と雰囲気の問題が生じるし、ラックマウント機器を置くわけではないので、WCLの一部として同じ集成材で誂えてもらった。

NEMA L5-20 で2回路と、家庭で使用するには十分な電源容量を確保。コンセント数はこのラック部分で48口あるのだから言うまでもない。
電源はショートケーブル化加工をしている。指示ミスによりコンセントが隣り合わせでついたのは残念(左右に配置しルートを分けたかった)だけれど、1引込で同一分電盤なので贅沢は言うまい。

必要性はあるのか?全くない。だけど家を建てるというこのお祭りに紛れ込ませなければ、一生できないことがある。
気分は秘密基地の司令塔。NW機器を置き、NAS代わりにRAID1を組んだミドルタワーを設置。余ったコンセントは電動工具の充電に使っている。
時間かけてローンを返していくんだ、そのくらいの遊びや自分だけのこだわりポイントが一つくらいあってもいいだろうと思う。

仕様
ラック:大工造作(タモ集成材)
パワーバー:大和電器
コンセント:アメリカン電機

 

ディデール:エアコン

高性能の分厚い断熱材に包まれ、例外なくトリプルガラスのサッシを備えた御影用水エコハウスは、シミュレーション上も敷地での体感からも、当初エアコンは不要で、温暖化が進行したら設置するつもりでいた。

2018年の夏日本を襲った猛暑。その春から建築の始まった我が家の現場でも、6月くらいには異変を感じていた。軽井沢なのに外が蒸し暑い。屋根の下に入れば吹き抜ける風に涼しさを感じるものの、不安を覚えた僕は、来客の宿泊がある離れのゲストルームには最初から設置することにした。

いざ最初からエアコンをつけるとなると、ゲストルーム以外にも暑がりの僕が過ごす狭い書斎兼寝室、そして洗濯物の室内干しをする脱衣所にも欲しくなる。そこでダイキンのマルチエアコン(室外機1台に室内機をいくつも接続できる、設備置場に室外機を設置するのでスペースの限られた我が家には最適)で選定し、離れのゲストルームは壁埋込型(2.2kW)4畳半の書斎兼寝室と脱衣所は天井埋込型ココタス(0.8kW)を新築時から設置してもらった。

洗面脱衣所

ココタスは当時まだ新製品で、そのコンパクトさから関係者がダクトの吹出口と勘違いしていたが、小さいだけでちゃんとした室内機なので施工時はガス配管やドレンなど一式必要になる。配置には注意。

無線LAN接続

離れのエアコンはオプションのWi-fiユニットで、そしてココタスは標準でスマートフォンでの操作が可能となる。高断熱住宅の場合、外出先から操作する機会はほとんどないが、家の中でリモコンを探さず、エアコンの前にも行かずにコントロールできるのはやはり便利だ。ON/OFFや運転パターン、設定温度の変更などのコントロールが可能で、スマホ標準対応のココタスは風量風向も変更できるが、室内機+後付アダプターでは不可。

ダイキンのアレクサスキルを追加すれば、Amazon Echoなどで操作も可能。我が家はエアコンを殆ど使わないため、実際には使っていないけど声で運転や温度設定を操作したり、定形アクションで「アレクサ、いってきます」というと電気消灯エアコンOFFなどやってみたい人はいるのかもしれない。

ちなみにこのアダプター、約1万円した。無いなら無いなりに生活するし、家の建築という巨大プロジェクトがなければこのオプションを追加したか?やっぱり追加したんだろうな。

仕様
室外機:ダイキン 3M58VCV

離れ室内機:ダイキン C22RMV
前面グリル:ダイキン KDG413C10
無線LAN接続アダプター:ダイキン BRP051A41

書斎、脱衣所室内機:ダイキン C08VCCV

ディテール:USBコンセント

家に来る友人たちに羨ましがられる装備が、トリプルガラスでもルンバの部屋でもミーレ食洗器でもなく、USBコンセントなのは面白い。

以前過密日程でアメリカに出張していた際の楽しみと言えば、ホールフーズ等スーパーに行くこととホームセンターに行くことだった。
その時に見かけてアメリカではこういうものがあるのか、日本でも発売されないかなと思っていたところ、家を建てるタイミングで大和電器より発売されたのはうれしかった。

充電機器に応じて出力電流を変えるICを搭載しており、2.4Aまで出せるためiOS機器の充電が早く和室に宿泊するゲストには好評。
また近年USB給電機器が多く、iPhoneの充電器を転用するなどしているが飛び出しが気になるので、コンセントがすっきりしてよい。

今後HOME IoTが進めば、Raspberry Pi 等でも使うことになると思う。
6台セットで2万円程度、モノタロウで購入し施主支給した。1か所指定を忘れ余っていたものは、一応電気工事士免状があるので自分で交換した。

仕様
USBコンセント:大和電器 R3702
プレート:神保電器 NKP-3UF(PW)
取付枠:神保電器 BS-K
(ホームセンターでは売っていないので後付けした1台分はPanasonic WCN3701を使用)