ディテール:巾木

注文住宅ブログを書く人の多くは巾木にこだわりがあると思う。ましてや建築家による設計ともなれば尚更だが、僕らの場合はまったく考えもしなかった。
家を建てるまで「はばき」の読み方だって知らなかったくらいだ。

こうして家が建ち、友人を招いて「巾木素敵だねと」言われて初めて存在がクローズアップされた。そういわれると面白いもので目に入るようになるし、よそにお邪魔する際も気になってくる。

この天然の風合いが今ではとても気に入っているし、今後の変化も楽しみ。

仕様
巾木:タモ無垢材(他木枠と同一)

ディデール:エアコン

高性能の分厚い断熱材に包まれ、例外なくトリプルガラスのサッシを備えた御影用水エコハウスは、シミュレーション上も敷地での体感からも、当初エアコンは不要で、温暖化が進行したら設置するつもりでいた。

2018年の夏日本を襲った猛暑。その春から建築の始まった我が家の現場でも、6月くらいには異変を感じていた。軽井沢なのに外が蒸し暑い。屋根の下に入れば吹き抜ける風に涼しさを感じるものの、不安を覚えた僕は、来客の宿泊がある離れのゲストルームには最初から設置することにした。

いざ最初からエアコンをつけるとなると、ゲストルーム以外にも暑がりの僕が過ごす狭い書斎兼寝室、そして洗濯物の室内干しをする脱衣所にも欲しくなる。そこでダイキンのマルチエアコン(室外機1台に室内機をいくつも接続できる、設備置場に室外機を設置するのでスペースの限られた我が家には最適)で選定し、離れのゲストルームは壁埋込型(2.2kW)4畳半の書斎兼寝室と脱衣所は天井埋込型ココタス(0.8kW)を新築時から設置してもらった。

洗面脱衣所

ココタスは当時まだ新製品で、そのコンパクトさから関係者がダクトの吹出口と勘違いしていたが、小さいだけでちゃんとした室内機なので施工時はガス配管やドレンなど一式必要になる。配置には注意。

無線LAN接続

離れのエアコンはオプションのWi-fiユニットで、そしてココタスは標準でスマートフォンでの操作が可能となる。高断熱住宅の場合、外出先から操作する機会はほとんどないが、家の中でリモコンを探さず、エアコンの前にも行かずにコントロールできるのはやはり便利だ。ON/OFFや運転パターン、設定温度の変更などのコントロールが可能で、スマホ標準対応のココタスは風量風向も変更できるが、室内機+後付アダプターでは不可。

ダイキンのアレクサスキルを追加すれば、Amazon Echoなどで操作も可能。我が家はエアコンを殆ど使わないため、実際には使っていないけど声で運転や温度設定を操作したり、定形アクションで「アレクサ、いってきます」というと電気消灯エアコンOFFなどやってみたい人はいるのかもしれない。

ちなみにこのアダプター、約1万円した。無いなら無いなりに生活するし、家の建築という巨大プロジェクトがなければこのオプションを追加したか?やっぱり追加したんだろうな。

仕様
室外機:ダイキン 3M58VCV

離れ室内機:ダイキン C22RMV
前面グリル:ダイキン KDG413C10
無線LAN接続アダプター:ダイキン BRP051A41

書斎、脱衣所室内機:ダイキン C08VCCV

ディテール:USBコンセント

家に来る友人たちに羨ましがられる装備が、トリプルガラスでもルンバの部屋でもミーレ食洗器でもなく、USBコンセントなのは面白い。

以前過密日程でアメリカに出張していた際の楽しみと言えば、ホールフーズ等スーパーに行くこととホームセンターに行くことだった。
その時に見かけてアメリカではこういうものがあるのか、日本でも発売されないかなと思っていたところ、家を建てるタイミングで大和電器より発売されたのはうれしかった。

充電機器に応じて出力電流を変えるICを搭載しており、2.4Aまで出せるためiOS機器の充電が早く和室に宿泊するゲストには好評。
また近年USB給電機器が多く、iPhoneの充電器を転用するなどしているが飛び出しが気になるので、コンセントがすっきりしてよい。

今後HOME IoTが進めば、Raspberry Pi 等でも使うことになると思う。
6台セットで2万円程度、モノタロウで購入し施主支給した。1か所指定を忘れ余っていたものは、一応電気工事士免状があるので自分で交換した。

仕様
USBコンセント:大和電器 R3702
プレート:神保電器 NKP-3UF(PW)
取付枠:神保電器 BS-K
(ホームセンターでは売っていないので後付けした1台分はPanasonic WCN3701を使用)

ディテール:薪ストーブ

災害対策 - 停電時に自宅での生活を成立させるため、薪ストーブを設置することは決めていた。ただそこから先、機種選定に最も迷走した設備だと思う。どの機種にしようか迷ったのではなく、どう選んでいいかわからず迷った。

最終的には超高気密高断熱に対応した吸気外気導入方式の中で、以下内容を点数化しいくつかの機種をピックアップ、実物を見に行き、最後は見た目の好みでヨツール F305Bを選定した。

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【第7位】薪ストーブ 続いての #薪ストーブ は、非常に迷いましたが、高気密対応と料理のしやすさ、デザインの面で #JOTUL #f305 を選定。 もちろん外気導入をしていますが、スキャンサームの高気密向けモデルと比較すると、少し室内の空気を引いています。 クラシックとモダンの中間で、北欧らしい可愛い見た目のストーブに、炉台はなんとコメリのコンクリート平板。建築家さんのセンスがすごい、一枚300円と安いので、手前側多めにしました。熱いスキレットを置いたり、灰を掃除するのにとても便利です。 メインエリアには、薪ストーブ以外の暖房はありませんが、-10度以下になる軽井沢のこの冬でも1日中つけたのは2回だけでした。 #高断熱バンザイ #冬でもTシャツ短パン #myhome #passivehouse #マイホーム #パッシブハウス ジャパン推奨ゾーン #平屋 #超高気密高断熱 #ua値019 #ヨツール #JØTUL #jotul #f305 #軽井沢 #追分 #御影用水 #平屋暮らし #田舎暮らし #自分らしい暮らし #御影用水エコハウス ©️UEDA Hiroshi (pic2)

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パッシブハウスにおける薪ストーブの選定について

外気導入直結タイプは、今や大概の輸入ストーブでオプションとして選べる。ただ、設計時から外気導入が標準な機種は多くない。F305は設計が新しいこともあり、その数少ない外気導入標準のモデルだった。外気導入のパイプがうまく隠せるようにか、同色の物入れもセットでうまくデザインされている。(4本足のタイプもある)

実際に使用してみると火力を上げるときは室内からも吸っている。スキャンサームのいくつかは室内空気に依存しないモデルがあるので、それを選んだほうがその点だけ言うと良いかもしれない。

高性能住宅と薪ストーブの組み合わせについて、ネットで諸説あるのはいつものことなんだけど、薪ストーブ販売店や国内の製造者に聞いてもはっきりした答えがなくて困る。彼らとコミュニケーションする中で感じたのは、超高断熱高気密住宅の知識不足というより、全体最適か個別最適かの視点の違いだった。

とある国内の製造者を訪ねたときのこと。薪ストーブの燃焼効率や、立ち上がりの速さなど本体については饒舌に語るのに、外気導入について聞くと冷たい空気を薪ストーブ内に入れたくないという。
それは薪ストーブ内での燃焼だけ考えればその通りかもしれない。でも家全体がシステムで薪ストーブはその一部に過ぎない。外気を薪ストーブに直接導入しないなら、薪ストーブはどこから空気を吸うのか。当然室内からになる。室内が負圧になって気密の弱いところから空気を引いてしまい、当然その周りは結露する。

そう僕が質問すると、そもそも薪ストーブは超高断熱高気密には向いてないし、それでもつけたいなら窓を開ければいいと言われたのだった。
断熱気密施工して、第1種熱交換換気をつけそうして暖房負荷を減らした上で、さらにカーボンフリーのエネルギーを使おうとしているのにそれはないだろう。視座が低すぎる。

真剣に考えて薪ストーブを設計してもらいたいと思う。

F305 外気導入

超高断熱高気密住宅が普及しているパッシブハウスの本国ドイツや北欧のストーブはどうか。残念ながら薪ストーブメーカーのサイトを見ても、薪ストーブのどこから吸気してどう燃焼、二次燃焼するかいまいちわかりにくい。HWAM,TONWERKの断面図みたいなのをもっと詳細にしたものが全部にあるといいんだけど。一番気になる本体の密閉性について書いてあるのは日本語だとスキャンサームくらいだった。

僕は杉、ひのき、黄砂、よもぎ、ネコ、ダニ、ハウスダスト等のアレルギーもちで、アレルゲンにはかなり敏感。野焼きの煙はもちろんだめだし、薪のいぶりも苦手だ。だからストーブを見に行けばすこしの煙臭いのはすぐにわかるし負圧や密閉性は敏感に感じるセンサーが備わっていた。

いくつかの項目でF305を候補の一つに選び、ドキュメント上のスペックとしてはスキャンサームやワムの方がよかったが、実際に見に行くとF305もなかなかしっかりした密閉で匂いは感じなかった。しっかりした扉で消耗品を適切にメンテすれば問題ないことが製品でも確認できた。

候補の中で排気が一番クリーンだと説得力があったのはワムのオートパイロットHIS。自動車が環境規制の為キャブレターからインジェクションに変わったように、薪ストーブも突き詰めればセンサーからの情報で制御する時代が来るのかもしれない。個人的には薪ストーブを停電時の暖房、料理といった災害対策の側面もあり電源を引くのは好まなかった。自動車にオルタネータがあるように、薪ストーブ本体がバッテリーを搭載し、電力を作れるようにすれば、これまでと同じ感覚で使えるけれど、とんでもないシステムになるので好みでは無いかな。

それよりは蓄熱タイプだとか、パッシブハウスクラスの性能だと暖房需要だけではこの寒い軽井沢ですら朝だけとか夜だけ数時間火をつけるだけで1日中焚くことはないので、給湯を賄うタイプも有力な検討候補となるだろう。

暖房性能か薪の大きさか

薪の対応サイズは重要な評価項目とした。
薪づくりの4工程 ①伐採 ②玉切り ③薪割り ④乾燥のなかで一番億劫なのが「玉切り」作業ではないだろうか。(乾燥も面倒だけど簡単に生産性向上できない)
エアコンのように単純に暖房性能で選定すると、高性能住宅の場合小さな薪ストーブが候補になるが、対応サイズが30cmになってしまう。
F305は仕様によると41cmまでの薪に対応だった。
日常的に入る薪が小さいのは本当に不便、40センチと30センチでは玉切りの回数が1.33倍になる。また初年度など購入する薪が30cmだと入手性が悪い。運良く譲っていただけることになっても諦めることになるかもしれない。

実際に薪ストーブ生活を始めると、友人たちと薪作りをするのが楽しみの一つとなった。その際、原木から玉切りで切り出すのも自分だけ30センチというのは不便だろうと思う。

暖房性能がオーバースペックにはなるが、しっかりと朝だけ炊きその暖かさをキープして日中や夜はつけないとか、晴れた日は日射取得で暑くなるので朝から点火せずに過ごし、夜1回だけ燃やすなど、燃焼する時間を少なくすることで対応できるのも高断熱住宅ならでは。

針葉樹が燃やせるか

もともと雑木林に埋もれたアトリエを撤去した我が家には、解体時に伐採された大量の原木があった。6割が針葉樹のアカマツ、4割が広葉樹で楢と栗だった。針葉樹が適さない薪ストーブもあると聞き、針葉樹が問題ないものかどうかを評価項目とした。北欧の森は針葉樹が大半とのことで、選定リストに乗ったどの機種も問題ないですよとの回答は頂いていた。

触媒の有無

触媒があると、交換のお金がかかる。それだけ聞くと迷うまでもなさそうだけど、クリーンバーン(触媒レス)方式は燃費が悪いと一般的には言われている。やはり薪ストーブで本格的に暖房するなら触媒有りがいいとネットには書いてある。
ただこれもクリーンバーンのデメリット「燃費が悪い」がどうしてそうなるのか、熱量に対する消費量で比較し議論したいところだが、自動車雑誌でよくある実測比較といったものは見当たらなかった。比較表にEN13240でのEfficiencyを入力して比較したけど、決め手の項目にはならなかった。

我が家は解体時に作った薪が大量にあり、本当にクリーンバーンの燃費が悪かったとしてもそれほどのデメリットにはならない。面倒な部品がなく交換に費用がかからない方が、我が家の状況ならいいと考えた。

実際に1年暮らしてみて、断熱性能が良いので薪が多少早く燃えていたとしても、点火し数本が燃えて消え、その熱が部屋から奪われないまま1日過ごす事が多い。日射取得できる地域の超高断熱住宅では、普段の生活で燃費は気にならない。

料理

我が家では災害対策の観点から、停電時に料理できることが必須だった。ただ、住み始めてみると、日常的な効用を強く感じる。そもそも、パッシブハウスのような超高性能住宅になると、暖房の為だけに薪ストーブが必要かというとそれは否だ。もし冷房のため1台エアコンを導入してしまえば、それで暖房も賄える。
少なからず情感的な理由で導入するはずだから、災害対策抜きにしても料理はできたほうがいいと思う。遊びに来るゲストも薪ストーブで料理するともてなし感出るし、ただの暖房と違って普段の生活にも彩りを与えてくれる気がする。

材質、鋼板が鋳物かソープストーンか

一般的に鋼板製が立ち上がりが早く、鋳物が遅いとされているが定量的な評価を見つけられなかった。薪ストーブは、FF式の暖房機器と違い電気で強制的に吸排気しているわけではない。温度差によってドラフト効果により排気し吸気口から空気を引く燃やし方が理想で、早めに温度を上げてやることが必要。針葉樹をはじめに燃やし、温度を上げてから広葉樹にスイッチすることで鋳物のF305Bでも平日の朝暖房機として使っている。

最も我が家の場合、前日夜に薪ストーブを使っていれば翌日は起床時に20℃以上あるし、そうでなくても針葉樹だけ燃やしてすぐ消えてもその熱で一日過ごすことも多いけれど。これがソープストーンなら、さらに本体に蓄熱されるからより快適なんだろう。(ただし高価)

煙突

煙突はセオリー通り。つまり曲げを作らずまっすぐ伸ばし、屋根から抜く。本体から高さ4m以上、屋根面から1m以上。

よく聞かれること①:ペレットストーブ

家づくりを検討中の方に良く聞かれるのが、ペレットストーブを検討しなかったかどうか。その多くは吸排気にモーターを使用しており、停電すると使えなくなるため検討すらしなかった。

停電すると使えなくなることを、地震の時に使うのは危ないから使えなくていいんですなんて言うストーブ屋さんもいるけれど、それは話のすり替えだと思う。少なくとも軽井沢では地震以外でもしょっちゅう停電するし(先日も40時間停電したばかりだ)そういう時に薪ストーブで暖を採り、料理もできるというのは電気が使えないことに不安を感じる家族にとって、大きな心の支えとなる。

よく聞かれること②:乾燥しないか
薪ストーブでなぜ乾燥するのか?(温度が上がれば相対湿度が下がるのは当たり前で、絶対湿度、人間の生活ででた水分がなぜ失われるのか)それは燃焼により冬季の乾燥した外気を大量に家の中に入れるから。3種はもちろん1種換気だとしても、薪ストーブ直付けの外気導入口がなければ差圧レジスターや気密の弱い場所から、薪ストーブが消費する大量のエアが入ってくる。

もちろん全熱交換換気(風呂場までロスナイ!)室内循環式レンジフードのおかげもあるだろうけど、我が家は過乾燥になっていない。

よく聞かれること③:子どもが危なくないか
ベビーゲートをおいている。うちの子どもたちは、熱いことを理解しておりもう大丈夫だと思うけど、偶発的な事故の可能性と友人たちが子どもを連れてよく家に来るので、10年はこのままにしておくつもり。

仕様
JØTUL F 305 R B ブラックペイント

ディテール:床材

フローリングはクリの無垢材を採用した。

家造りを始めるまで床材の種類など全く興味がなかった僕ら家族。たまたま設計中に、軽井沢から1時間半くらい北にある小布施へ遊びに行ったことがあった。
小布施町は住民主体で個人の敷地、庭を開放しそれがつながって回遊できる街となっている。また、まちじゅう図書館といって個人宅内に本を置き、半公共スペースにし交流が生まれている。

そのすごく素敵な街で歩道として使われていたのが、小布施の名産品「栗」。すっかり小布施ファンになった僕らは、建築家Sさんのおすすめもあってクリ無垢フローリングについて調べてみると、いいことがたくさん書いてあって、これしかないだろうと決めたのだった。

水回りについて

無垢材のフローリングにする場合、洗面脱衣所、トイレ、キッチンへの採用は迷うところだと思う。Sさん曰く、栗は傷や水に強いので全面的に使用でき子育て中の家族でも大丈夫とのことで、和室とWIC以外のすべてをクリ無垢フローリングで統一した。

1年が経過し、一部洗剤のアルカリ性に反応して黒色になることがあった。クエン酸でかなり戻ったけれど。水染みは問題ないレベル、でも木の上に水がつくのが気持ち悪くて都度気にしてしまう。次また建築するなら、僕の精神衛生のために水回りはタイルかモールテックスにすると思う。

洗面脱衣所とお風呂に床がズドンとおんなじ床材、黒系の大判タイルやモールテックスというのは見た目も格好いい。

傷は硬めの木だけあってあまり気にならない。子どもが3人いると、大人だけの生活では想像できない使い方をする。
当然のようにミニカーでガシガシこすったり、椅子を引きずって歩くけれど、そんなことでいちいち怒ったり行動を制約したくない。

よく見ると傷はついているけれど、それで内部の部材が見えたり劣化を感じないのが無垢材の良さ。
幅広のものよりも幅が狭いほうが凹凸が多いため傷は目立たないと聞いていたが、それもあるのかもしれない。あるいは子どもができてからだいたいのことは気にならなくなったか、多分後者だろう。

厚みは15mm、10年に1回1mm削っても50〜60年は全然平気ですね。

床暖房は必要かどうか問題

家を見に来た人にだいたい聞かれるのが「床暖房はつけたか」
我が家は減額前から予算不足だったので検討もしなかったけれど、雪深い温泉宿で玄関や廊下、部屋のフローリング部分に床暖房があると足が触れた瞬間にうれしくなるので、質問する人の気持ちはわかる。

聞く人の外皮性能がわからないので、「うちの場合は」という前置きになるけれど床暖房はつけていないし必要性も感じないと説明する。屋外が−10度でも、床を含むすべての面の表面温度は20度あり、寒さを実感することがない。パッシブハウスでも床材がタイルなどだと、床暖房があると嬉しいかもしれないけど、無垢床なら床暖無しスリッパなし靴下なしで一年中過ごせる。

ちなみに我が家はメインエリアは薪ストーブ以外無暖房、基礎断熱。床下から床上に空気を吹き出すようCFファンを仕込んであり24時間運転している。外皮性能が高く床下の温度が常に温かい前提で、軽井沢でも床暖房はなくて大丈夫だった。

普段裸足で生活する僕ら家族にとって、人工的でないこの肌触りとぬくもりは何よりも代えがたい。

仕様
クリ無垢フローリング UNI 1,820 x 90 x 15 mm 無塗装
オイル塗装(自主施工)

ディテール:レンジフード

室内循環式レンジフード。見積中に森みわさんが設計した前沢パッシブハウスで実物をはじめて見て、仕様変更し採用した。

前沢パッシブハウス

従来のレンジフードは調理の際に発生する油煙や蒸気、臭気などの汚れた空気を屋外に排出している。
当然、室内は負圧となり排出した分、外部の空気を取り入れることになる。冷暖房負荷が上がる。

それに対し室内循環式は、換気扇の中でフィルターに通すことで汚れや臭気を取り除き、奇麗な状態にしたものを室内に戻して循環させる構造になっている。

スタイルはやぼったいのに、アリアフィーナなどより高価で、温熱環境の為だけの人柱だと思っていた。
パッシブハウスでもここまでの設備を導入する例は少なく、コストの問題から関係者でも賛否は分かれる。ガスでは採用できないので商売でお客様の家を作る場合は歯切れが悪くなるからではと思うが、料理する際に外気を入れなくて良いのは冷暖房負荷低減の上で大きなメリットとなるはずだ。

実際、冬に大きく恩恵を実感することとなった。よく冬季の乾燥を防ぐためストーブの上にやかんを置いたり加湿器をつけないと湿度が30%台になるという話を聞く。第1種全熱交換換気のエコハウスでも40%いくかいかないかというところをいくつか見た。

我が家の場合は22℃のとき、相対湿度45%〜55%くらいで安定している。引っ越しから1年経過し、過乾燥による肌荒れなどは感じていない。

さて、揚げ物をよく作る僕ら家族としては、以下の2点が不安だった。

1.匂いはとれるか。
揚げ物の空気が室内に戻るなんて、本当に匂いは取れるのだろうか。その心配は完全に杞憂だった。前の家で使っていた普通のレンジフードよりも、匂いがしないのはどういうことだろうか。

IHではガスコンロと異なり、フライパンや鍋周りの無駄な上昇気流が発生しないので、そもそも部屋の中に油が拡散しにくい。だからだとしか説明のしようがないが、先日もうちでパーティーをやり牡蠣フライをたくさんあげたけど、友人たちも匂いはしないと言っていた。

いちおう補助換気機能付きで、普通の換気扇と同じようにダクトを接続し、匂いの強いものは室内に戻さず排出できるタイプを選定している。だけどカレーのときですら出番がない。使ったのは一度ポップコーンを焦がしてしまい思いっきり煙が出たときくらいだ。

室内循環式レンジフードの補助換気

2.換気扇が油べったりにならないか。
フィルターで空気をきれいにして戻すということは、どうなってしまうんだろうと心配していた。
実際には個人がアクセスできるのはスロットフィルタまで。油吸着、脱煙、脱臭などの各フィルタはメーカーのが数年に一度来てメンテナンスしてくれる。
スロットフィルタ手前までの部材はもちろん食洗機できれいになるので手間いらず。

もちろん室内が負圧にならないので、薪ストーブとの相性もバッチリ。
見た目の部分だけ工夫すれば、高性能住宅で特に薪ストーブを使う家にはぜひおすすめしたい設備だと思う。
ガスコンロの場合は燃焼で大量のCO2が出るため室内循環式は使えない。その場合は同時給排式になると思うけれど、物によっては強風や薪ストーブで使用していないときでも外気が入って来てしまうと関係者から聞いたので、気密施工のプロにおすすめを確認したほうがいいでしょう。

仕様
富士工業 室内循環式レンジフード 補助換気機能付きシリーズ NSRF-RKH-751

国際パッシブハウス・オープンデー2019のお知らせ

11/8-10に国際パッシブハウス・オープンデー2019が開催されます。
世界中のパッシブハウス・レベルの建物が、 一同に見学会を行う国際イベントです。

特設サイトリンク

御影用水エコハウスも11/9(土)amで公開予定です。見学は上のリンクからお申込いただけます。
昨年の公開前に考えたこと、感じたことを、SNSより転載します。

 

家造りももうすぐ完成です。

引っ越しはまだ先ですが、11/9-11の3日間、国際パッシブハウスオープンデーに合わせて公開するので、今日は準備してきました。

シュガースポットコーヒー さんで居心地が良いな、こんな家建てたいなとふと思い立ち、設計した建築家さんにその場で連絡をとってから、約2年。

もともと「高気密高断熱」は家を建てるにあたり、日本の住宅寿命の短さに衝撃を受けたことから、長く愛され残る建物を実現するための要素の一つでした。

住宅業界は売らんがための独自工法、薬事法の家バージョンがあったら送検間違い無しの広告宣伝が多いですが(多分営業も理解しないでやってると思う)、一応電力会社にいたので、筋の良い技術理論にはたどりつくことができました。

住宅は素人ながらパッシブハウス・ジャパンの仲間に入れていただき、勉強して様々な高性能住宅を見たりするうちに元来のオタク気質が刺激されたのか、またはデータセンターという省エネ技術の塊に、20代後半の人生を捧げた記憶が蘇ったのか、すっかり断熱の世界にハマっています。

話の流れで家を軽井沢に建てていて、建築家の設計した平屋だとわかると、色々な反応があります。

婉曲的に、お金がかかったでしょとか、高級なのが好きなんだね的なことを言われることが多いけれど、僕の場合それは明確に違います。

ラグジュアリーよりシンプル、豪華より素朴。

いわゆるホテルライクな、華美で、でもエネルギーをたくさん使わないと快適でない建物や、山小屋風で質素な、そして温熱環境的にもプアな寒い建物が多い軽井沢において、別のベクトルを持つ家になったと思います。

3.11の時に、もう二度とこんな思いはしたくないってみんなが感じたはずです。
でも事実上原子力が減りつつある中、エネルギーをこれまでと同じように無駄遣いしていくのでしょうか?

今回は原油天然ガスを輸入し流出するお金を、きちんとした性能のある建物を建てて、林業や大工さんはじめとする職人の仕事に振り向けてみました。

ひとりひとりが省エネで持続可能な暮らしをすることが、解決策になると思っています。

僕は評論家にはなりません。僕から見えたいまの社会に対して、少数派かもしれないれど、自分は与しないことをローン組んでまで意見表明した結果がこの家です。

35年頑張りますw

車庫


© 上田 宏

ガレージ

設計開始時、Sさんにはガレージは要らないと伝えていた。
心の底からそう思っていたわけではない、軽井沢は冬になれば晴れていても霜が降りる。毎朝通勤前にフロントガラスの霜取りをすると思うとげんなりだれど、耐震性能、断熱性能の要求と、坪単価を考えると残念だけど無理だなという気持ちだった。
2台分のガレージが、相当な面積を取り横長の間延びした形になるなという想像もしていた。

Sさんからの第1案には、その諦めたはずのガレージがあった。雨雪の日、荷物や子供の積みおろしや霜取りを考えると、玄関横にあったほうが良いという提案だった。
壁は2方向だけ、長い車だと鼻先が出るけれど、全体の意匠は恐ろしく整っており美しい。僕としては屋根がかかっていれば、冬の霜とりはしなくていいので壁はいらなかった。広いスーパーの駐車場で1台分横幅2.5m、それで壁を作ると圧迫感があるが、壁がないことで限られたスペースで成立している。

 

外物置

自然の中に住むには、都会では使わない様々なものが必要となる。草刈機、ブロワー、チェンソーなどを持っている人は多いし、雪かきや車の雪下ろし棒などは必需品だ。

そこで泥のついたままでも出し入れできる外物置をあらかじめ作ってもらった。
前述の必需品に加え、キャンプ用のテント、タープにチェア、薪割り斧、オイルから、スキー、スノーボード、そして車社会でめったに使わなくなったベビーカーまで収納されている。

 

設備置場

接道と配置の関係上、外壁北面だからといって裏側にはできない。3面ファサードで、設備が見えていい場所がないのだ。考えた結果、外物置の一部を設備置場とし、そこに収納することにした。
縦長に開口された信州カラマツの扉の奥に、マルチエアコンの室外機と、エコキュートのタンク、室外機が収められている。こういった扉を無垢材、しかもよく動くカラマツで作るのは難しいらしい。当初は扉の裏側がしっかりしすぎており、エコキュートの室外機によって冷やされた空気が滞留したので、開口率を高めるため改造した。

軽井沢の第一種低層住居専用地域の場合、ほぼ都市ガスは供給されていないのでプロパンガスによる給湯か、エコキュートか迷うことになる。もちろんエネルギー源をどうするかという問題は、給湯だけで決まるものではなく煮炊き、オーブン、衣類乾燥機で決める人もいると思うが、我が家の場合は緊急時に生活用水を確保する観点からエコキュートにした。

エコキュートのタンクには460リットルの温水が貯蔵され、災害発生時など断水の場合には、タンクの下部から生活用水を取り出せる。

 

振り返ると、コンペもせずお願いした建築家の第一案で、躊躇なく決めることができた背景にはガレージの存在があった。

それは雨や雪の日に子どもを抱えながら荷物を降ろし玄関を開ける大変さと、この位置に車を停め扉を開ける利便性が瞬時に想像でき、設計にあたって実際の生活を考えてくれているんだという確かな安心感を得られたのももちろんだけど、やっぱり心の底では自分の家を建てるなら「ガレージ」が欲しかったんだと思う。

80年代前半生まれのギーク達にとって、ガレージは特別な意味を持つ。ヒーローが仲間たちとコンピューターを作り革命を起こした物語はあまりにも有名だ。

いにしえのオタク少年は何者にもなれないままいつしか夫となり父になった。世の中をあっと言わせられなくても、ガレージさえそこにあれば、いま欲しいものを作ることはできる。

この年になってできた移住者仲間たちと一緒に。

外壁:信州カラマツ
塗装:オスモカラークリア2度塗り
扉:建具造作
倹飩:大工造作
電気自動車用コンセント:Panasonic

 

風呂

造作バスルーム

風呂は、躯体の性能を除いて、最も悩み時間をかけた部分になった。
建築家に設計依頼するなど、家造りにこだわりのある人の多くはまず在来工法か、ユニットかで悩むのではないか。そうして調べ始めてまた迷う、ネットを見てもいろいろなことが言われているし、設計者や施工会社に聞いても様々な答えが帰ってくる。

僕の場合もそうだった。もともとお風呂で本を読んだり動画を見たりするのが好きだし、ストレスが溜まるとホットドリンクを持ち込んで浴槽に浸かりながら音楽を聞いて過ごす。人一倍お風呂には思い入れがあるけれど、在来の造作バスは恐ろしいイメージがあり、踏み切れないでいた。

施主それぞれが重きを置く価値が異なり、答える側も知識不足、意図した誘導、認知バイアスがあるのだろう。
造作か、ユニットか一般的な論点を整理すると、以下の通りとなる。

■ユニットバスのPros/Cons
 ○水漏れの心配はほとんどない。
 ○冬あったかい。
 ○費用が低廉。
 ×材料、水栓など選択肢が限られる。
 ×カッコよさで造作に劣る。

■造作バスのPros/Cons
 ○自分ですべて好きな材料を選び作れる。
 ○かっこいい。
 ×冬寒い。
 ×水漏れリスクがある。
 ×費用が高い。

 

なぜユニットバスは暖かく造作は寒いと言われるのか?

僕も調べて衝撃を受けたのだが、昔の造作バスは水漏れリスク低減のためか、基礎から直接砕石や土間コンクリートをうち断熱材無しで浴室が置かれていた。確かに水が漏れても屋内側には侵入しないけれど、断熱区画外でタイルのヒヤッとした感じを裸足に感じたんだろう。何より裸だし室温自体寒かったはずだ。

ユニットバスは室内側区画に置くことができ、断熱材に包まれていて、水密性によって気密も取れている。素材もプラスチック系だったことが「造作よりユニットは暖かい」という評判を生んだのではなかろうか。

そこで超高断熱仕様の室内側区画に造作することで、普通の家のユニットバスより暖かくなるはずだ。僕は、はっきりと旧来型の造作バスの構造は受け入れられないと宣言した。
最近の家づくりブログを見ても、いまだに基礎直置きの造作バスが多いようで、冬寒いというのを読む。そんな家を提供するのは不作為だと思うし、施主の健康を何だと思っているのか聞きたい。

初めて入浴した日は11月下旬だった。軽井沢の平均外気温は4.4度、最低気温は氷点下の夜。
裸足でタイルに触れた瞬間に奇妙な気がした、体が覚えているあのひんやりとした感触がないのだ。意識せずに力が入っていた足の裏が、おそるおそるではなくフローリングと変わらない歩き方をするまで時間はかからなかった。

 

水漏れを防ぐ

在来が水漏れするというのなら、ユニットバスと同じ構造で造作すればいいんじゃないだろうかと考えた。
そこで調べてみると、昔の造作バスは、タイルが割れて底から水が侵入するなどあったものの、現代ではFRPで防水するので、適切な設計施工をすればユニットバスとそれほど変わらない。

FRPは海水に浮かぶボートなどでも長年使われている。耐水合板で区画した全体をすべてFRPで包む。直角部分が破れないよう工夫し、その上にモルタルをし好きなタイルで仕上げる。あとは下地の清掃と平滑、樹脂と硬化剤の配合をキッチリするなど腕と監理次第だと考えた。

また、水漏れが問題を大きくするのは、長年漏れていても気が付かず構造にダメージを与えるからである。残念ながら漏水センサーはこれといったものがなかったので、現状は温湿度センサーを配置してモニタリングしているが、床下に100V電源を配線しておき、コンセントを付け良い商品が発売され次第2重化して設置予定とした。

 

費用

費用については素材選定次第だけど、直接工事費はさすがに安いユニットにはかなり負けるものの、高いユニットバスよりはかなり安く収まった。
ただタイルの割付など、目地7mm, 5mm, 3mmパターンすべてCADで施工図を書き、施工自体も設備や防水など相当チェックする内容があるので、そうした費用は当然必要になってくる。

また想像だけど、施工会社観点だと水漏れって一大事、ユニットならメーカーの責任施工でほとんど何もしなくても工事が終わり、しかもアフターサービスも万全。造作で劣化し何かあったら対応はしなくてはいけない、でも保守契約もなく費用をいただいているわけではないので、サービスを維持するのは難しい。

施工会社視点では僕(自社の役員)が施主だからやったけど、一般的に提供するには保守費用相当を初期費用にいれるか、定期点検を有料化して定期点検を受けていないとアフターしないなどの仕組みを考えるしかない。後者のが納得感はあるかなと思うが、聞いたことがないので前者にしているのではないか。それが造作バスは恐ろしく高いという話の正体だろう。

 

さて、自由にできるとしてどういう雰囲気のバスルームを作ろうか。
折角造作だからホテルライクにしようとあれこれ調べた時に出会ったのが、注文住宅ブログの金字塔「羊飼いたちの休日」
豪華や華美という方向ではなく、品のある美しい浴室であり、「ホテルライク」にとらわれていた僕にとって衝撃だった。
ブログの他のエントリーも貪るように読み、素晴らしい文章と写真、背景にある深い洞察の虜になった僕は、タイルは名古屋モザイクのひだs、色はホワイトで馬目地貼り、目地幅3mmライトグレーとほとんど近い仕様に決定した。

水栓はHitsのグローエアウトレットでフル施主支給(お勧めしません)
数日間Houzzでバスルームを見て回った僕の研究成果によると、バスルームのかっこよさを決めるのは水栓が普通のか、埋込型かに帰結する。

浴槽はカルデバイのジャパンモデル。深いといわれているけど浅目に入ることもできるし、我が家はこの選択でよかった。

夫婦2人で日常的に入ることはないが、子どもたちとは基本一緒に入っている。取っ手がいるかいらないか悩み西麻布のTformに見に行った。子どもと入浴するときに、横幅が狭くなるのと、結局後付けなので見た目が気にいらないという結論になった。

浴槽の裏側は一応ウレタン吹いておいた。まあ少しお湯が冷めにくくなるかなという気休めである。

目地色は前述の通りライトグレー。ひだs馬目地張りでベタな感じになるのを、この色と目地幅が防ぎ流行りっぽくない感じが出ている。カビが心配だったのでエンタープライズ分野で使われるホーロー化コーティングを自分で塗った。疑似科学などではなくて本当に液体ガラスなので、塗ったそばからみるみるガラス様に硬化していく。
タイルの質感が変わってしまうので、使い方は要注意だと感じた。

ガラスドアはYKKAPの既製品。えっYKKAPにそんなドアあるの?と我が家を見に来た建築家さんたちが驚いていた。
このフレーム、ドアハンドルださいかなと思ったけど、親子扉開口で広いうえに防水もしっかりで、子どもがガラス越しに水かけまくったりしても大丈夫な安心感。費用も低廉だし、見た目は住み始めると案外気にならない。
とにかく無茶な遊び方をする子育て世代には強度、水密性含めおススメ。

体をふいたタオルで、最後の人がガラスドアを拭いて出るようにしている。いまのところ水垢がついておらず満足している。

壁:名古屋モザイク hida-s
床:LIXIL サーモタイル
窓:YKKAP APW430
浴槽:KALDEWAI Saniform Plus Japan Model
水栓:GROHE Grotherm 3000
ドア:YKKAP サニセーフⅡ HG
コーティング:日興 テリオスコートNP-360G
換気:三菱電機ダクト用ロスナイ VL-70BZ2

洗面脱衣所


© 上田 宏

洗面台

洗面台の存在自体、家づくりをはじめるまで意識したことがなかった僕は、奥さんの意見で進めることにした。
聞くと、洗面器は大きいほうが便利かなと言う。「造作洗面台」で検索すると、ダブルボウルの例がよく出てくるけれど、一つで幅広のがスペースを有効活用できそうだと。
T-formで幅の大きい順に表示し、2人でひとつひとつ見ていく中で目に止まった1枚の写真。これで洗面器は決まった。


https://www.tform.jp/products/item_one.php?id=13733#8

 

水栓の数

ダブルボウルは不要だけど、水栓は2個ある方が便利で見た目もいい。だけど、奥さんは「いらない」と、それはもうきっぱりと言った。

水栓2個の懸念としては、どうしても稼働が入り口に近い方とか片方に偏る。交換するときは前と同じものがなければ、デザイン的におかしくなるので、まだあまり使ってない方も変える必要が出てくるかなと自分を納得させた。

 

天板

洗面器置きの天板は、こうしたテイストの家だと木が多い。昔住んでいた家はやはり造作洗面台であったが、洗面器周囲のウレタン塗装された木材はそのうちに腐り、コップの底に丸く跡がつき、結局工業製品の洗面台に入れ替えていた。
もちろん使った後きちんと拭き取れば、長きにわたって美しく維持し使うことは可能だと思うけど、住み始めてから、子どもたちが濡らしたままにしているのを見てストレスを感じる光景が、容易に目に浮かんだ。
プラスチックな感じではなくて、水への耐久性があり美しいものがいい。木を採用するのは精神的に無理だ。家具の打合せ時に僕がそういうと、Sさん夫妻はコーリアンのサンプルを見せてくれた。
木より少し高いですが、水を気にしないで済みますという言葉を聞き、僕ら家族は心穏やかな毎日の為に採用を決めたのだった。

コーリアンのサンプルが届き驚いたのはカラーが数十種類もあること。サンプルにはない国内在庫もあり、洗面器が届いてから実際の環境に近い中で見て決めた。

 

洗面器の型番をSさんに伝え、出来上がった図面を見ると鏡の部分が収納になっていなかった。
スペースがもったいないかなと思ったけど、両側と下部の収納があれば、僕らには十分だ。またスマートミラーにしようか迷ったけど、透過できるもので満足のいくクオリティのものが見つからなかったので、その意味でも、鏡の裏側のスペースを使う理由はない。

造作洗面台の施工例を見るとたいてい鏡が収納になっているので、この大きさの1枚鏡というのはあまり目にしないものだけど、実物を見るとかっこいい。

洗面台本体:家具造作(タモ合板フラッシュ)
水栓:GROHE ESSENCE
洗面器:CATALANO Premium
天板:DuPont CORIAN TRW

 

脱衣所

洗面室とは分割できるよう、脱衣所の収納サイズに合わせて鍵付きの引き戸を仕込んだ。
建築家の作る家=ガラスドアのバスルームというイメージが有る。いつもそういった写真を見ると、誰かの入浴中、洗面使えないのか心配になっていた。

今回は「ガラスドアのお風呂だと入浴中洗面使えない問題」に正面から取り組んだ訳だ。普段は開けておけば、開放感ある広い洗面脱衣所として使用できる。

洗濯機もここに置くので、ランドリースペースを兼ねることにした。近年スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ、黄砂、柔軟剤、野焼きの煙とあらゆるアレルギーが出て一年中外干しできない体になった僕は、家を建てるなら乾燥室が欲しかった。

ハウスメーカーの間取りを見ると、温室的な空間が作られていることが多い。だけど寒い軽井沢では、陽だまりは家族の過ごす場所にしたい。

洗濯物が乾くメカニズムは日射ではない。温度と風量だ。そこで洗濯機の近くにマルチエアコンの子機とサーキュレーター、物干しをつけ、収納には洗剤やハンガーなどを用意する。最強の導線短縮ランドリースペースができたのではないか。

Pid 4m

物干しはホスクリーンなどいろいろ見たけれど、シンプルで一番使い勝手が良さそうな森田アルミ工業のpid 4Mにした。
Amazonでは偽物が売られているので要注意、本物はMade in Japanで素材もしっかりしており精度が良い。

脱衣所扉:建具造作
脱衣所収納:家具造作(タモ合板フラッシュ)
エアコン:ダイキン ココタス C08VCCV
物干し:森田アルミ工業 pid 4M

次回は自分でも書くのが楽しみなお風呂です。写真がうまく撮れず悩んでいますが。