つぎ建てるなら:換気

「家は3軒目でやっと納得するものができる」とは昔からよく聞く話だ。

初めから全部うまくなんていくはずはない、なんだってそうだ。レシピ通りにやったのに、焼いたら膨らまず、せんべいのような形をした皮にカスタードクリームをつけて食べたのは初めてのシュークリームづくりだった。

少なくない費用を払い数十時間教習所に通っていざ免許を取り、ドキドキしながら親の新車で一周りした。帰ってきて車庫入れで右を見ていたら、気がついたときには左フェンダーからドアまで大きくへこんでいたときの両親のあきれる顔は忘れがたい。

ましてやレシピもない、手取り足取り教えてもらえない家づくりで、初めからすべてがうまくいく方が奇跡だ。

そういう時のために建築家は存在する。建物について日々考え経験を持ち、施主の希望と自らの知見をバランスをとりながら設計を司る存在。

家を建ててわかったのは設計にもそれぞれ得意とする領域があるということだ。そして電気通信や、設備が得意な方もいるんだろうけど、当然だが建築家は建築本体、意匠に重きをおく方が多い。これは建築家に限らず工務店で家を作る場合もそうだ。

理想は構造と同じレベルでとまでは言わないが、なんらか電気通信、設備のプロフェッショナルがサポートできるようになるといい。専門施工会社による施工前提でのレビューなど、費用を上げすぎず実現する方向に今後向かうだろう。

わが家の換気:ダクトレス第1種全熱交換換気システム

前置きが長くなったが、わが家ではダクトレス第1種熱交換換気システム せせらぎを採用した。
建築家Sさんの案件で実績があったことに加え、せせらぎのサイトに動画があり西方さんが推奨していたのが決め手になった。

おすすめかと問われれば無条件にそうとは言えない。ある条件下ではちゃんと換気はしている。目に見えない空気の動きだが、竣工時から室温、湿度とあわせて室内2か所のCO2濃度を見ているので間違いない。

多くのダクトレス熱交換換気は、2台1セットになっている。1台が吸気しているときは1台が排気し、数十秒後にその動きが逆になる。

条件とはこの時に換気経路をふさぐようなものがないことだ。例えば寝室で寝るとき、ドアを閉めるはずだ。換気経路のドアには通常アンダーカットやガラリという、空気の通り道となる開口部が確保されている。

では、引き戸の場合は?家づくりをするまで知らなかったが、引き戸や折れ戸は隙間があると考えられることから、特に加工しなくとも建築確認申請が通るのだそうだ。

上の動画を見ながら、もし部屋間の空気の通り道がなかったらと想像してみてほしい。

そこでわが家である。ゲストとの導線分離用セキュリティドアを除いて、すべてを建具造作の引き戸でアンダーカットは存在しない。(セキュリティドアはアンダーカット有り仕様で造作した)
しかし大工さんは腕っこき、伸縮する無垢材の枠と造作ドアなのに隙間はほとんどなく、就寝時に扉を閉めるとCO2濃度がぐんぐん上がっていく。

引き戸を全閉しなければCO2濃度は上がらないが、そうなると実生活上の問題が出てくる。在室時に開けておかなくてはいけないのなら、不在時のためだけに鍵のかかる引き戸を建具屋で造作し設置したことになる。開放的な間取りが作れる高断熱高気密住宅で、わざわざ扉を設ける場所というのは音やプライバシーの観点から閉めたい場所だ。

法的には開口を設けなくていいかもしれないが、空気の動きを支配するのは法律ではなく物理の世界であり、CFDなどしなくとも二酸化炭素モニターは正直にその実態を表示してくれる。

CO2グラフ
扉を閉め20時から和室で絵本を読み始め21時に就寝したグラフ。

もちろんこの換気経路を邪魔しないというのは基本であり、ダクト式熱交換換気を使ったってそうだ。換気設計では寝室、子ども部屋、書斎といった、人がいる部屋にSAを設け廊下等を通過してトイレ、脱衣所などからRAをとるのが理にかなっているし一般的だ。その時に換気を妨げるドアがあってはならない。

だからもし僕がダクト式の換気を選んでも、同じ引き戸なら同じことになっている。では開口部をあけたら?特殊なドアを使わない限り当然防音性能は劣る、世の中には通気遮音ドアという既成品もあるが、僕はまだ実際の家で実物に出会ったことがないのでどの程度音が漏れないかはわからない。

あるいはガラリの開閉可能なドアというのもあるが、よほど興味関心がある人でなければ操作しない気がする。

もし熱交換換気を必須とし、スペースを無駄にしない引き戸が好きで、建築家の意図を壊さない造作建具にしたいけれども音の漏れる開口部を作りたくないなら、選択肢は2つあるだろう。
1.寝室や書斎など個室にVENTOsan ツインスティーベルのLT-50 ProJファンロスナイミニのように1台で吸排気が完結するダクトレスを選定する。
2.個室にダクト式で壁からSAを出し、同じ部屋の対角線床などからRAを抜く。

さて、そうなるとダクト式とダクトレスどちらがいいのかまた悩むことになるが、その前に第1種熱交換型換気と第3種換気のどちらを採用すべきか決める必要がある。といってもその答えは軽井沢町のような寒冷地については簡単で、熱交換にすべきだ。

パッシブハウス系の工務店で、わが家のように建もの燃費ナビを使って設計すれば、換気によってどれだけ年間暖房需要が増えるのか数字で把握できるし、QPEXは使わなかったが同じ結果だろう。新住協の工務店はコストバランスに優れている印象があるが、新住協発行「北東北の高断熱住宅1号」25棟のうち24棟は高くても熱交換換気を選んでいることからも答えは明らかだ。(残る1棟は西方先生が重力換気に挑戦した自邸)

長野県内の新住協系工務店は比較的第3種の採用例が多い印象だが、軽井沢町はII地域、上田市や長野市とは気候が違う。北海道仕様が本当に必要な立地ということを設計者にも理解してほしい。

ダクト式とダクトレスに話を戻そう。ダクトはやれゴミがたまるとかカビが生えるなどいわれているけど、ちゃんと施工しているSAダクト内は汚くなかった。汚いのはRA、気になるなら部屋を掃除してダクトの入り口にフィルターをつければいい。

ダクト式が高くてダクトレスが安いというのはよく言われる話、物によってピンキリだけどパッシブハウスクラスの建物で良く使われているような機器になるとその傾向はある。わが家で試しに見積を取ったダクト式はミーレの洗濯機と乾燥機を合わせたより少し高く、ダクトレス4台セットが施工込みでミーレの食洗器くらいと、そこには大きな差あった。

だからと言ってダクトレスで、0.5回換気ぎりぎりの台数を選定し運転すると相当うるさいと感じるだろう。逆に弱運転で十分二酸化炭素濃度を下げられるよう多めに設置するとまた外壁に穴がたくさん開くので断熱欠損、気密施工に気を使う必要がでてくるし、コストメリットも低下する。

ダクトは汚れる、ダクトレスはうまく効くかわからないしうるさい、全熱と顕熱どちらがいいなど、Webサーチ力の高い人ほど陥りがちな悩みだと思う。Webサイトの情報の多くはポジショントークか、それを見聞きした人間の二次情報が多いからだ。
悩んだときはもっとも情報を持っていて、現場で施工している人となんとかコンタクトを取り質問するのがいいと思う。本物のパッシブハウス認定物件を施工できる業者なら、ダクトありを選定して大丈夫だ。(自称パッシブデザインの、住んだ上での理解をしていない業者はダメだ)

ダクト式が良いのはきちんと施工調整すれば、ダクトレスにはできない細かい風量の振り分けができる点だ。機械の持つ能力が160㎥だとして、寝室に40㎥、子ども部屋に20㎥、リビングに60㎥…といった形で計画し施工して調整できる。

また、住宅が高性能になるほど必要なエアコンの台数は減り、能力的には1台でまかなえるのだが床下空間などを使っても冷暖房が区切られたスペースには届かないという問題があった。換気ダクトのSAにアメニティエアコンを接続すれば壁付けエアコンを設置せずに1台で細かな部屋まで含めた全館空調も可能となる。

さらに近年国内のパッシブハウスではよく、OAに外気清浄機トルネックスを接続している。業務用喫煙所システムで培われた「電子式集塵技術」を、建物の換気用フィルタとして採用し、ほこり、花粉、PM2.5等を建物の中に入れる際に取り除いてくれる装置だ。アレルギー知らずの時間が過ごせると評判だが、これもダクトレスではできない。もちろんダクトレスにもフィルターはあるけれど、性能がさらに上だ。

ここまで読んで、ダクト式熱交換換気がいいと思ったあなたに。ダクト式だっていろいろある。風量を適切に確保するファンの能力や、フィルターの種類(超重要)、そしてダクトの選定などなど奥深くブログには書ききれなさそうだ。

つぎ建てるなら

せせらぎが他のダクトレスと比べていいかどうかはわからない。パッシブハウスの認定に挑戦したいなら、PHIでコンポーネンツ認証を取っているものがいいと思う。(せせらぎは取得していない)

あるいはLT-50 Smartのようにコントローラー不要で何台でも(Wi-fiルータが許す限り)スマートフォンと接続し制御できるモデルは面白い。コントローラー本体や配線コストが削減できるし、このようなブログを読んでいる時点でスマホでの制御や状態確認といった機能に喜びを感じる人だろうと思うからだ。

また、CO2センサーによって強弱を自動で可変できる換気装置も増えてきた。但しほとんどのモデルはあまり賢くなく強弱の2種類しか切り替えができない、広告にはオンデマンドに調節するかのイメージが掲載されているが程遠いのが実態である。

どちらにせよダクトレスはオープンな間取りでうまくはまる容積の時は成り立つけれど、なかなか難しい。ワンルームや換気経路がとりやすい間取り、タイニーハウスをつぎ建てるならダクトレスを選定するけれど、一般的な建物で個室の中で勉強、仕事、睡眠することが多ければダクト式で通気消音ドアと組み合わせるか、同室内でRAも取るのが良いだろう。

さて、そんな妄想をデータを見ながら考えていたらはやくも機会があり、ベースの換気システムにPAUL社製 Focus200(全熱タイプ)を採用した。パッシブハウス・コンポーネント証明を取得しており、先端的エコハウスでよく使用される。熱交換効率93%(ドイツパッシブハウス認定91%)の高性能な設備。

今回はオフィスなのですべて引き戸ではなく開き戸だ、ただし社長室や会議室など個室は、中の会話が外で聞こえないようパッキンを回している、開口部などもってのほかである。

そこで社長室にはSAを供給し隣接するサーバルームとのドアにはアンダーカットを設け、(小さな会社でクラウドに寄せているので社長室―サーバルーム間では音の心配は無い)サーバルーム内ドア側がラック前面、奥をラック背面とし、ホットアイルをRAに戻すレイアウトにした。前述の2、同室内でのSARAからさらに工夫してIT機器からの熱回収まで組み合わせた姿だ。

もちろんOAにはトルネックスを導入。容積が大きいのでアメニティエアコンは接続していない。(換気もFocus 200はベースの負荷担当で、別にデマンド用にHealthBox3.0を導入した)

CO2センサーは8箇所つけているが、締め切った局所的な負荷でも問題なく1週間を通して1000ppm超えることはまったくない。

毎日非常に快適に過ごせ満足しているのだが、住宅用にはさらに究極のシステムが日本にもやってきてしまった。
その名もZehnder Comfohome、パッシブハウス向けに究極の換気空調を追求する中で生まれたヒートポンプ式全熱交換換気システムというもので、換気と空調(暖房・冷房・除湿・空気清浄)をワンパッケージにした世界初のシステム。換気空調一体システムとしては唯一パッシブハウス研究所の認定品、この機械の考え方には惚れ込んでしまった。

断熱材のエントリーでも書いたが、換気設計も意匠、性能目標や費用といったプロジェクト毎に選定されるべきものだ。費用には前例があったり、通常その工務店が使っている製品ならほぼ不要な調査、検討、施工図作成という工数が発生することを忘れてはならない。

どちらかが良くてどちらかが悪いという二分法は机上では整理しやすく心地いいが、家づくりなんて人生で何度もあることではないんだから、そこからさらに探求するいい機会だと思う。

ダクト式とダクトレスどちらがどうこうなんて、SUVとコンパクトカーを比較しているようなものだ。どこに住んでいるのか、どんな使い方をするのか。デミオとヤリス、RAV4とフォレスターなら検討できるだろうけど皆の議論はそうではない。

間取りや、ダクトのスペースがあるかどうかもそうだし、何を重視するかによっても解は異なる。そして僕がコロナ禍以前から主張しているように、CO2濃度の計測記録をし考えていないと答えは出ないが、工務店や建築家でもよほどのマニアだけ、あまり多くないのが実情だ。

東信地方では数年のうちに、年間暖房需要50kWh/m2a未満だったりQ1.0の高断熱高気密住宅を多くの工務店がつくる、作らざるを得ない時代が来るだろう。御影用水エコハウスに2年住み、こうした性能には普遍的な価値があると日々感じているし、まもなく皆が知る分水嶺を越える確信がある。

だけどそのときに電気通信や、設備、換気のデザインと施工ができる人材が足りないのではないだろうか。施工図を書き住まい手に説明、納得して設備を導入するプロセスを野辺山から軽井沢までで提供できるよう、上下水道、換気、空調といった建築設備工事の工務店、建設会社向けサービス提供を準備している。

また施工とは別に要望が多いのでフリートーク的な相談にも乗ることにした。電力会社時代は新事業でデータセンタのファシリティーマネージャ、新サイトのPMを多く手掛けたし、オペレーションの責任者として厳しい温湿度しきい値を、数千万円のサービスクレジットを背負いながらモニタリングしていたので、こだわりのある住宅の電気、通信、設備で役に立てると思う。

決して親切には書かれていないこのエントリーをここまで読んだくれた人は、簡単に答えを手に入れようと検索し怪しげな自称プロが小銭で公開しているコピペまがいのNoteを読んで納得するような性格ではないはずだ。きっとあなたはクレベリンは撒かないし水素水も飲まない。

だから、僕が手間をかけながら自分の手で確認し、奨めたいからやっているだけで、ポジショントークでないことは理解してくれるだろう。

つぎ建てるなら:断熱

もちろん、断熱性能をあきらめたわけではない。
以前御影用水エコハウスの断熱についてはフェノールフォーム+硬質ウレタンにしたと書いた。

断熱工事

自宅は自社で建てることにしたが、基本的に住宅新築は営業しておらず5年以上実績もないことから、最も断熱気密の点で作りやすく確実な構成を考えた。

充填断熱で密度、透湿抵抗の高いものを選定することにより、専門業者の責任施工で欠損のない断熱施工と適切な気密施工が同時にでき、防湿層の工事が不要となる。また付加断熱は性能の高いフェノールフォームを使うことで、外壁の厚みを抑える大工工事のしやすさを優先した。

その時点で以下のデメリットは承知していた。
 ・硬質ウレタンは燃えやすく、さらに燃えると有毒ガスが発生する。
 ・フェノールフォームはグラスウールと比較しコストが高価である。

1点目に関してはオール電化で内装は紙クロスの下に石膏ボードが覆っている。電気工事を監理し絶縁測定、通電時にサーモカメラでチェックして使っていれば壁内で火は起きない、あとは雷だが家の周りはもっと落雷に適した樹木だらけだ。
2点目に関しては付加100ミリ以上と慣れないことをして、外壁の保持力や地震時の荷重等を気にするよりは高価でも薄いものを使おうと考えた。

十分納得して構成を決めたものの、実際に工事が進むにつれ非常に精度が高い大工工事を見て、確かにわが家は入り組んだ部分が極めて多かったけれど、グラスウールでも問題なく欠損せずに断熱できたのではないかという違和感が日に日に大きくなっていった。

またリビルディングセンタージャパンや、山翠社といった、古材を美しく生かし次の世代につなぐ活動を見ていると、いくら長寿命な家といえどいつか考えなくてはならない解体時に、ウレタンを吹き木材として、そして燃料としても再利用できなくするのは、他に代替手段があれば避けたいと感じたのも事実だ。現場発泡ウレタンを吹いたあと、わが家の現場でしんとした不思議な静寂に包まれた中、それが美しいのかどうか自問自答したし、いま当時の写真を見てもやはりその気持ちは残っている。

趣味でさまざまなエコハウスの現場をめぐるなかで学んだ、付加充填とも繊維系断熱材を使い、外側透湿防水シート、ボードでも気密を取りさらに内側調質気密シートで気密を取る。それでC値0.1台を記録する、さらに省令準耐火、新住協のお手本のような構成を次はしたい。

コストや有毒ガス、解体時の再利用ということもあるけれど、そこには毎年資金力に物を言わせて補強している野球チームを、巧みな育成と戦術で破るかのような美しさがあると思う。

あるいは黎明期のレースにおいて、資金力に劣るプライベーターが知恵と工夫、レース運びで活躍していたら、僕はそれを応援するだろう。

さて、そんな試合は子どもの手が離れてから、沖縄か鎌倉あたりに運が良ければできるかもしれないと妄想していたら、意外に早く機会をつくることができた。

2020年11月に完成した自社のパッシブオフィスでは、付加、充填とも高性能グラスウール断熱という構成にトライした。
壁付加断熱 グラスウール 105mm

壁充填断熱 グラスウール 105mm

四角くない部分に、きれいに入っているグラスウールに萌える。

天井充填断熱 吹込グラスウール 300㎜(屋根付加断熱はポリスチレンフォーム断熱材3種bA 165㎜)

グラスウールはコストは安いものの施工の腕によって性能が左右されるとはよく聞く話だが、透湿防水シートにタイベックシルバー、構造用合板、調湿気密シートが美しく施工され、電線等貫通部の処理も丁寧にしている。

実際、気密測定結果はご覧の通りだった。

僕の考えとして何が何でもウレタンはダメだとは今でも考えていない、断熱工事の経験が少なかったり、あるいはもともとの気密が低い古民家など断熱改修では大変有効だと思う。実際御影用水エコハウスのすぐ後に、リノベーションが行われたリビセンエコハウスも、その改修にはウレタンで充填断熱している。

木材に対してサスティナブルでないという気持ちはあるけど、少なくともこの寒冷地で年間暖房需要25kWh/m2a以下、冬は薪ストーブだけで暮らすエネルギーを使わない家ができている。フェノールフォームだって高いけど天井の構造を見せるなど、外張りで数字を出す場合には使いたい。断熱材の種類はプロジェクトごと選択されるべきでありグラスウールやロックウール、セルロースファイバーや羊毛など、これが唯一いいと主張しているのはポジショントークだ。

それは個人のブログだから書ける本音の気持ちだし、顧客が他社と比較検討する中で少しでも差異化、自社を訴求しなくてはならない工務店、建設会社にはなかなか言えない話だと思う。他に比べて全くメリットがない、なぜ選ぶかわからない断熱材は確かに存在するが、それぞれの特徴と施工者の腕を含めたプロジェクトの特性で選定されるべきだ。

適切な施工ができる前提で言えば、新住協方式が多くの場合で解だ。しかしあと数年もすればよほどレベルの低い工務店を除き、顧客の要求、淘汰により、どこの会社でもG2が出せるようになるのではないか。その時は断熱材の種類が、これまでのような訴求力を持つかはわからない。

むしろよい断熱性能は当たり前となり、施主が種類や厚みなど悩むことなく家づくりに向き合えるようになった時、大切にされるものの中に住宅の本質的価値があって欲しいし、オーダーメイドの建築家や実力のある工務店の時代が来るだろう。