洗面脱衣所


© 上田 宏

洗面台

洗面台の存在自体、家づくりをはじめるまで意識したことがなかった僕は、奥さんの意見で進めることにした。
聞くと、洗面器は大きいほうが便利かなと言う。「造作洗面台」で検索すると、ダブルボウルの例がよく出てくるけれど、一つで幅広のがスペースを有効活用できそうだと。
T-formで幅の大きい順に表示し、2人でひとつひとつ見ていく中で目に止まった1枚の写真。これで洗面器は決まった。


https://www.tform.jp/products/item_one.php?id=13733#8

 

水栓の数

ダブルボウルは不要だけど、水栓は2個ある方が便利で見た目もいい。だけど、奥さんは「いらない」と、それはもうきっぱりと言った。

水栓2個の懸念としては、どうしても稼働が入り口に近い方とか片方に偏る。交換するときは前と同じものがなければ、デザイン的におかしくなるので、まだあまり使ってない方も変える必要が出てくるかなと自分を納得させた。

 

天板

洗面器置きの天板は、こうしたテイストの家だと木が多い。昔住んでいた家はやはり造作洗面台であったが、洗面器周囲のウレタン塗装された木材はそのうちに腐り、コップの底に丸く跡がつき、結局工業製品の洗面台に入れ替えていた。
もちろん使った後きちんと拭き取れば、長きにわたって美しく維持し使うことは可能だと思うけど、住み始めてから、子どもたちが濡らしたままにしているのを見てストレスを感じる光景が、容易に目に浮かんだ。
プラスチックな感じではなくて、水への耐久性があり美しいものがいい。木を採用するのは精神的に無理だ。家具の打合せ時に僕がそういうと、Sさん夫妻はコーリアンのサンプルを見せてくれた。
木より少し高いですが、水を気にしないで済みますという言葉を聞き、僕ら家族は心穏やかな毎日の為に採用を決めたのだった。

コーリアンのサンプルが届き驚いたのはカラーが数十種類もあること。サンプルにはない国内在庫もあり、洗面器が届いてから実際の環境に近い中で見て決めた。

 

洗面器の型番をSさんに伝え、出来上がった図面を見ると鏡の部分が収納になっていなかった。
スペースがもったいないかなと思ったけど、両側と下部の収納があれば、僕らには十分だ。またスマートミラーにしようか迷ったけど、透過できるもので満足のいくクオリティのものが見つからなかったので、その意味でも、鏡の裏側のスペースを使う理由はない。

造作洗面台の施工例を見るとたいてい鏡が収納になっているので、この大きさの1枚鏡というのはあまり目にしないものだけど、実物を見るとかっこいい。

洗面台本体:家具造作(タモ合板フラッシュ)
水栓:GROHE ESSENCE
洗面器:CATALANO Premium
天板:DuPont CORIAN TRW

 

脱衣所

洗面室とは分割できるよう、脱衣所の収納サイズに合わせて鍵付きの引き戸を仕込んだ。
建築家の作る家=ガラスドアのバスルームというイメージが有る。いつもそういった写真を見ると、誰かの入浴中、洗面使えないのか心配になっていた。

今回は「ガラスドアのお風呂だと入浴中洗面使えない問題」に正面から取り組んだ訳だ。普段は開けておけば、開放感ある広い洗面脱衣所として使用できる。

洗濯機もここに置くので、ランドリースペースを兼ねることにした。近年スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ、黄砂、柔軟剤、野焼きの煙とあらゆるアレルギーが出て一年中外干しできない体になった僕は、家を建てるなら乾燥室が欲しかった。

ハウスメーカーの間取りを見ると、温室的な空間が作られていることが多い。だけど寒い軽井沢では、陽だまりは家族の過ごす場所にしたい。

洗濯物が乾くメカニズムは日射ではない。温度と風量だ。そこで洗濯機の近くにマルチエアコンの子機とサーキュレーター、物干しをつけ、収納には洗剤やハンガーなどを用意する。最強の導線短縮ランドリースペースができたのではないか。

Pid 4m

物干しはホスクリーンなどいろいろ見たけれど、シンプルで一番使い勝手が良さそうな森田アルミ工業のpid 4Mにした。
Amazonでは偽物が売られているので要注意、本物はMade in Japanで素材もしっかりしており精度が良い。

脱衣所扉:建具造作
脱衣所収納:家具造作(タモ合板フラッシュ)
エアコン:ダイキン ココタス C08VCCV
物干し:森田アルミ工業 pid 4M

次回は自分でも書くのが楽しみなお風呂です。写真がうまく撮れず悩んでいますが。
 

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