基礎が終わりいよいよ木工事。
建築家さんの初回提案で感動して、ほぼそのままでお願いしたのは以前書いた通り。
だけどその白模型を見たときに、失礼ながらほんとにこの形で建つのかな?と心をよぎったのは事実だった。
1本1本長さも角度も違い、勾配も4面違う屋根の形状。
お願いした大工さんは建築士資格もお持ちで、自らもCADで図面を検証。図面上では成立しているけど、実際に建てられるか、見積検討時に1/10軸組模型を作成されていた。
こういうの、城の見学とかでケースに入ったのは見たことはあるけれど、、、屋根だけ見ると家というよりF-117 とか一昔前のステルス機っぽい。
大変な仕事を頼んでしまったのかもしれないと思い、棟梁に尋ねると、
「大丈夫、建ちますよ。だけど40年やってきて個人住宅では一番難しいかも。だから自分たちでできる準備は全部やって、模型も組んで問題の起きそうなところをチェックしたんです」とのこと。
その心意気が嬉しかった。できますと言ってあとから駄目でしたと言うのはプロの仕事では許されない。PMでも、楽観の中に慎重さと念入りさを持つタイプでないと難しい案件はできなかったのを思い出した。
さてここはプレカット工場の片隅。屋根が複雑なため今回機械ではできず、大工さんが手刻みをする材料が多かった。
模型を前に確認しながら、大工さん3人で刻んでいく。
模型の棟木。角度がついている。
これ、わかります? 別の部分ですが105角の柱にこんな角度をつけていく。
手刻みの様子を見たあとで、プレカット工場も案内してもらった。
とても整理整頓されていて、すごいスピードで加工されていく。もともと、すべて手刻みでと言うような幻想はなかったけれど、これを見ると機械でできることは機械でやるべきだと感じた。ホワイトカラーの仕事と一緒で、機械にできないことを人間はやらないと生き残ってはいけない。
次回はいよいよ上棟です。