テラス


© 上田 宏


© shiro

ウッドデッキ

まだ土地探しをしているときから、本物の木で作ったウッドデッキが欲しいと思っていた。
昔からカフェやレストランではテラス席が好きで、大抵の季節はそこでビールを楽しんでいた。屋外席は喫煙か、またはペット同伴でないと座れないお店が増えたのはいつ頃からだっただろうか。そのどちらも満たさない僕は、タバコをやめた唯一のデメリットだななんて思ったものだ。

ウッドデッキ自体が好きというわけではなくて、朝パンをトーストしコーヒを入れテラスで食べたり、昼や夜に料理を作り冷やしたビールと一緒に外に出る、そういう時間が欲しかったのかもしれない。

木でウッドデッキをつくるというと、これは造作バスでも同じことが言えるんだけど、腐って危ないよとか、すぐだめになると周りから忠告を受けた。
そこで調べると、僕のリサーチ(大袈裟だな)によれば、短い期間でダメになるウッドデッキには、いくつか特徴がある。

 1.下が地面で湿気にさらされる
 2.材質がSPFなど耐久性のない木材である
 3.屋根がかかっておらず雨雪、紫外線の影響を受ける

ウッドデッキの耐久性は、まず基礎から。湿気を防ぐため土に束石置きや砕石敷ではなく、家の基礎工事とあわせてウッドデッキにもコンクリート基礎を打った。これで湿気や土中の腐食菌を心配せずに済む。
またコンクリートは基礎と同時に打設したので、ケイ酸塩系含浸材を2度塗りし非常に高耐久にした。これでもし万が一デッキがだめになっても、水平出しとか土をいじる工事は不要で木だけ変えればよい。

木材はレッドシダーとヒバ。調べるとウリンやアコヤを使いたくなってくるけれど、全部でそれをやっていたら建たないので見積前に断念。塗装は耐久性向上のためウッドロングエコを塗った。経年により変化した写真を見ても、すごくいい風合いで楽しみにしている。

テラスを日頃からアウトドアリビングとして、自然の中で朝ご飯を食べたり、真夏の昼下がりにビール飲んだりするには屋根が必須だし、耐久性の点でも長持ちのため雨をかけたくなかった。奇をてらったわけではなく必然的にリビングとダイニングにつながるよう接し、屋根のラインに合わせた形になった。この先端どう考えても使うことはないんだけど、こんな尖ったデッキって見たことないしかっこいい。

リビングから外に出て鳥の声を聞き、ふと足元を見ると目の前の雑木林を通過した光が、デッキに影を作っている。
その時ここに家を建てて良かったと、ふと思った。


© shiro

デッキ材:ヒバ
土台、大引、束:レッドシダー
塗装:ウッドロングエコ2回塗り
基礎:鉄筋コンクリート(24-15-20N)

 

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