さて、設計をお願いしてから3ヶ月後。第1案提案の日がやってきた。
それまでにSさんの設計した家にお邪魔させていただき説明を受けたり、ヒヤリングシートを夫婦で話し合って書いて返信したり。
前回の新しい家のコンセプトもそうだけど、僕らが何が好きで何が嫌なのか、そこでどんな暮らしをしたいかをSさんに伝えてきた。
ここで格好つけるとこの先のローン生活が苦痛になる。
うちは、丁寧な暮らし的なものへのあこがれはあるけれど、ズボラだから日々の暮らしの手間は省きたい。
建築家物件建てて大丈夫かな…そんなことを考えながら妻の書いたヒヤリングシートを見たら、家事は「嫌い」に丸してあった。正直でいいですね。
これまで、Sさんの想像力を邪魔したくなかったので、具体的な間取りの話はせず、もちろんいいなと思う家の写真なども共有していない。
Sさんのこれまでに設計した家で、あるいは写真で具体的にいいなと思う点を伝えることはあったけど。
そんな僕らに提示された一枚の図面は、本当に衝撃的なものだった。
これまでに見たことのない間取りで、でもどのような環境で生活するか具体的に考えられており、しかも美しい。
その居住空間にはまるで折り紙のような屋根が乗り、これまでに見たどの家とも違う形をしていた。
今回家造りをして感じたのは、優れた建築家の作品は2次元的に間取りだけ見ても、理解も判断もできないということ。
一般的には何坪の家で、リビングが何畳でという風に考えていくし、僕も色々な間取りを見るのは好きだったけれど、実はそんなことをしても本質的に意味は無いのかもしれない。
僕らが住むのは平面ではなくて立体の世界なのだから。
だから出来上がるまで図面は載せないでおきます。
ひと目でこの家を建てたいと感じて、第一案からほとんど修正なく基本設計が終わりここまでで一年以上前。
もう現地は木工事をしているので次回から施工の様子、記録が書けると思います。